さて、このブログはあんまり犯罪的な話題には手を出さないことにしているんですけど、無い勇気を振り絞ってP2Pを取り上げましょう。いわゆるファイル共有、その本丸と目されるwinnyについて。
ときどき情報流出が騒がれるアレです。
http://www.geocities.jp/winny_crisis/
最近のニュースではこんなのもありましたね。
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/09/18/030/index.html
まぁ、権利をもたない著作物のアップロード行為は明らかに違法ですからね・・・
で、ここを見ている方はwinnyと言われてもあまり興味をお持ちにならない方もいらっしゃるでしょうし、詳しくない方も多いでしょう。著作権とかも絡んで、「なにかいけないこと」としか思ってらっしゃらないかたも多いでしょう。
実際、なんなのか?
napstarやWinMXを語らずにいきなりWinnyからお話を始めるのもちょっと辛いんですが、あえて簡潔に短く言うとすれば「国産ファイル共有ソフト」!と言っておきますか?ほうら訳が分からない。
ちょっと前までは本屋さんのパソコン書棚には「ファイル共有」「P2P」なんて書いた薄いムックがたくさん並んでいたんですが、さすがに違法行為の幇助にあたるかもしれないのか、最近は少なくなりました。
しかたないので、NHKで昔放送された「新・電子立国」でマイクロソフトが取り上げられた回で紹介のあったお話からお話をスタートします。コンピューターの世界にある独特で共産的な考え方についてです。
かつて、コンピューターは大企業や国の研究所だけのもので個人で所有するのは「普通じゃない」という類のものでした。
この時代、個人で高価なパソコン本体を購入できたとしても、ソフトがほとんど存在しない、あったとしても高価すぎるし、必要な機能が揃っていなくて不十分、全然手が出せないって状況。せっかくムリして個人用コンピューターを購入しちゃった人たち(ハムなど無線愛好家が多かった)は、自分たちが作ったソフトをお互いに交換しあうことでこれを解決しようとしたのです。高度で複雑なソフトはムリでも、各自がニーズにあったちょっとしたソフトを制作しそれを皆に無償で分け与え、交換し合う・・・なんか共産主義的な考え方ですね。
お金をとらない、現在のフリーウェアに繋がっていくこの考え方、動機は?親切?自分の技術力のアピール?相互扶助?・・・まぁ、タダでもいい、みんなに使ってほしいという心意気ですわな。その見返りに、別のソフトをもらう。互いに融通しあって、そこに金銭的な報酬や代価といった考え方は皆無だったのです。
古くからPCに慣れ親しんだ人たちは、この互助的なことにずいぶん助けられているはずです。パソコンと呼ばれるものが世の中に出てき始めた頃、自分も右も左も分からないまま、ただ「新しい」「好奇心」とかその程度の動機でコンピューターを手に入れ、周囲の詳しい友人知人から関連するソフトや情報をタダでもらい、技術や知識を無償で教わったものです。そういったとき、なんの出し惜しみもしなかったその先達の人々にとても感謝しています。この時の恩返しをするとすれば、今私の持つ技術や知識を他人に惜しみなく披露し、技術不足や知識不足で困っている誰かを援助することです。そうすれば、コンピューターというコミュニティが広がり、人材の裾野がひろがり、より多くの人がよりたくさんの技術をもちよることで、ふりかえって自分だけでなく参加する全員のPCライフもより豊かになるわけです。・・・文化とか文明とか、そういうものに似ていますね。
でも、だれしもが暇なわけではなく、生活がありますから、「互助」にも限界があるのです。報酬とか権利といったものも必要なわけです。みんなの共有物だったはずのソフトに代償を求め著作権を主張したのが、マイクロソフトのビルゲイツです。彼は、これで巨万の富を築き、多くの尊敬を集めると同時に、多くの蔑み・侮蔑・ねたみを買い、ものすごい数の敵を作ることになったのです。ちょっとぐらい慈善事業に手を出したからって許されるものではありません。
・・・まぁ、彼はソフトの報酬や権利といったものを「ビジネス」と割り切っていた節があり、アイデアや先見性といったものに重きをおくパソコンソフト「互助」の考え方とは最初から相容れなかったんですね。彼が手にした過剰な報酬をソフトに再投資したのでソフトがより高度でより便利になった功績は認めざるを得ませんが・・・儲けるためにやったことですし、それでますます儲かったんだから功績と言うには抵抗があります。手法も問題でしたしね。著作権を主張する割には「模倣」はいつものコトだったし、隣町の個人をだまして5万ドル
*1で権利を買い取ったソフトをIBMに売り込んで何億ドルも稼いだのも、彼の中では「ビジネス」に過ぎないのでしょう。しかし、汗を流した本人が正当な報酬を受け取るべきだというイミで、この行為にはおよそ「正義」はないという気がしますけど。
まぁ、そういう下地があって、コンピューターの世界は「著作権」というものとは相容れない考え方が存在します。うまく説明できていない気がしますけどね。
winnyというソフトが作られる動機としてこの「互助」の話が横たわっていると言うことをおぼえておいてください。winny自身がフリーウェアで、報酬や代価を求める性質のもではなかったし、winnyで扱われるデータも「互助」の対象なのです。その動機は人それぞれさまざまですが、でも、その行為が「著作権」という法律といずれ衝突するのは自明のことだったのです。
この項、長すぎるので、つづきはいずれまた。
*1:Wikipediaによると、マイクロソフト社のビルゲイツ氏は元アスキー社長でMS社の役員をしていた西和彦氏の助言に従い、シアトル・コンピュータ・プロダクツ社(SCP社)から86-DOSを25000ドルで非独占ライセンスを得、SCP社にいた86-DOS作成者:ティム・パターソンをヘッドハンティングで引き抜き、しあげに、86-DOS の全ての権利を 50,000 ドルで買い取った。このときMS社はこのOSを改造してIBM-PC用に販売・OEMする件について一切話さなかった。(秘密保持契約で話せなかった、と言い訳している)後日、真相を知ったSCP社はMS社を訴え、100万ドルで和解した。だから、2.5万+一人雇用+5万ドル、あとで100万ドル、が正しいが、それでMS社がどれくらい儲かったかというと・・・正直よく分からないが、ビルゲイツ氏の資産が2008年現在530億ドルだそうだそうである。ちなみに、2002年の決算書で発覚したことだが、Windows(OS)の利益率は85%だそうである。これは、上記86-DOSを買収してCP/Mに先行、勝利したことで得られたデファクトスタンダードでいまだに利益を増やし続けていると捉えることができる。
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